翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 77

ページ: 77

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【右丁】 する故也故に魚肉を食する時は起居動作を頻(しきり)にすべし 壮実(そうじつ)の人にて常に歩行(ほかう)等しげくする人(ひと)は随分(ずいぶん)魚肉(ぎよにく)を 用て気力を増(ま)すの理尤なれど是またかねて心(こゝろ)を用ゆ べき事なり ○平生食する心得(こゝろへ)の事 人の命は食(しよく)にありとて食(しよく)を以(もつ)て命を保(たもつ)事なれば平(へい) 生(せい)の食に心を用る時は病もなく又有る病も去(さ)る の理あれば常に心を用る事 専要(せんよふ)なりされども平生 の食も国々(くに〴〵)によりて変(かわ)りありて同じからざれども略(ほゞ) 其理をいふときは北国の人は肉食をし南国(なんこく)の人は霍食(くわくしよく) 【左丁】 によろしといふごときこれ南国は温熱(うんねつ)の気にして寒気 すくなき故に人身の陽気表に引く事 強(つよ)く裏(り)に陽気 の守(まも)りおろかなる故に胃(い)陽(よふ)の運行よろしからざれば 霍食(くわくしよく)によろし北国は寒冷(かんれい)にして温熱(うんねつ)の気すくなき 故に人身の陽気内を守りて胃陽の運行(うんかう)よきゆへ 肉食をしても消化(せうくわ)しやすく表気のしまりもよくなる べし此道理を四季に心得(こゝろへ)て夏は裏(り)の陽気のめぐり よろしからざる故に化(くわ)し易き物を食し冬は陽気裏 を守る事よき故に肉食をする事もよしとす或(あるひ)は平生 起居動作をしげくするときは味の厚きものを食し