翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 78

ページ: 78

翻刻

【右丁】 動作せざる時は味の薄(うす)きものを食とするの類如此する時は 自養生にもかなふべし凡の食事料理の取(と)り合せも此理 にてする時は自よし先吸口に辛味(からみ)を用る事も只(たゞ)取りあひ とばかりおもふべからず一切 重(おも)き味の物にはかならずからみ を用るは厚き味にて滞(とゞこふ)る味なるが故に辛味(からみ)を用て運 するの理にて納豆汁に芥子(からし)を用るの類にて知るへし しかし其食用の事もかたく心得るときは却てあしく 其内にも貴人(きにん)は貴人の食用の養生あり下賤(げせん)は下賤 の食用(しよくよふ)の養生ありて平生の業(わざ)により歩行を専(もつはら)にする ものは胃陽の運(めぐ)りよくまた平日 歩行(ほかう)をせず座(ざ)する事 【左丁】 のみ多(おゝ)きものはおのづから胃陽の運りよろしからず 別して心(こゝろ)を労(らう)し其上 密居(こもりおる)する時は胃陽のめぐりよろ しからざる故に此理をよく〳〵知(し)りて食事すへしされ どもまたみだりに食事を減(げん)するも養生にあらず只我 身の節(せつ)を知りて食するをよしとし人々によりて食養生 の仕様あればこれを一に心得ときは又大なる害ならん ○味の厚きものを食する時は急に空腹(くうふく)にならず  麤食をする時は空腹になる事早きの理 滋味膏梁のものを食する時は急に空腹にならざると いふ理はいかんといふに何れ味の厚き物を食するときは