翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 80

ページ: 80

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【右丁】 したる味を知るべしかく五味の大抵(たいてい)を弁(べん)じさて此 後に記(しる)す五味の理をよく考(かんが)へ然(しか)して食物(しよくもつ)の取合(とりあわ) せをよくし食する時は兼(かね)て疾病(やまひ)の憂(うれい)をすくなくし たとひもとより病有るも是を除(のぞ)く事あらんまこ とに日夜 心得(こゝろへ)有べき事なり ○甘味(あまきあじ) 甘き味は陰を生ずる理(り)ありて又陽を呼(よ)ぶの理あり 故に甘味を食するときは津液(しんゑき)を生して身を養ふ是 甘は性 平(へい)にして陰陽にかたよらざる味なるが故に津 液となりては陰を補(おぎな)ひ陰をほ補(おぎの)ふての後はまた陽を引 【左丁】 くの理もあり其理は甘味を多く食する時はいがらく おぼえては咽(のど)の乾(かわ)くも是 陽(よふ)を引く理また多 食(しよく) して大便のゆるむといふも是陰の津液をますが故(ゆへ)なり ○辛味(からきあじ) 辛味は陽の至(いた)りの味にして一切辛き味は火に似たる 味にして辛き味を食するときは其味 烈敷(はげしく)して上 へ登るの気ありからし抔食すれば直(すぐ)に鼻中(はなのなか)をさし て辛烈の気 徹通(てつとふ)【左ルビ:つきとふ】す是辛烈の陽気 鼻(はな)よりして 天に皈(き)する也又とうがらし抔は別(べつ)して烈敷(はけしき)味にして 食するときは忽(たちまち)頭(づ)に汗(あせ)を発(はつ)し後(のち)には総身(そうしん)【惣】の陽気(よふき)も