翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 81

ページ: 81

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【右丁】 外へおし出(いた)す故に総身(そうしん)【惣】にも汗(あせ)出(い)づ酒もまた辛味(からみ)を おもふ具(ぐ)したる故に忽 顔色(かをいろ)に出るも亦(また)天(てん)に皈するの理 なるが故に火に似(に)たる味とはいふ桂枝(けいし)の推陽(よふをおして)達表(ひよふにたつする)といふ も辛味のなす処 蕃椒(とうからし)【番は誤】なども熟(じゆく)するときは色の赤(あか)く なるも是陽の色なり故に水湿(すいしつ)の気(き)を散(ちら)する事は至(いたつ) て烈し先年 阿蘭陀舟(おらんだふね)皇国へ渡海(とかい)之時舟中にて連 日 雨(あ▢)降(▢)りつゞき湿邪に当り着船(ちやくせん)の後湿邪にて悩(なやむ)もの 多(おゝ)かりしに其時おらんだの医者(いしや)剤中(ざいちう)に蕃椒(とふがらし)を入れて せんし用ひしに水湿(すいしつ)の気こと〴〵く表(ひよふ)に発(はつ)し須臾(しゆゆ)に 気力 復(ふく)せしといへり是を見るに水気を乾(かわか)す事火に 【左丁】 しくはなし故に多く辛味を食するときは火に似たる 味故に水気を乾(かわか)して血(ち)乾(かわく)なり ○苦味(にがきあじ) 苦き味は陰の至りの味なれば陽気を悪(にく)む味にして辛(から) 味の表(▢▢▢)にて陽気をおさゆる味也故に何程 塞(ふさが)りたる時にて も熊胆(くまのい)を用る時は痞(つかへ)を除くといふも下へおさゆる事甚し き味なるが故なり大黄(だいおふ)黄連(おゝれん)黄芩(おゝごん)の性(せい)皆其能は異(ことな)りと いへども陽をおさゆる事は一理にて大黄は大便を通し黄連(おゝれん) は痞(つかへ)を除(のぞ)き黄芩は熱を解(げ)するといふも皆陽をおさゆる の味なり故に腹(はら)の痛(いた)む時 木香丸(もくかうくわん)を用て痛(いたみ)を治すると