翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 82

ページ: 82

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【右丁】 いふも木香の苦味を以て痛(いたみ)を治するものにて是も痛   は陽気の行当るものありて行れざる故に痛(いた)むなれば 其行当るものを苦味にておさゆる故に陽の運(めぐ)りを 得て痛(いた)みをやむるなり ○酸味(すきあじ) 酸味(すきあじ)は辛味の裏(うら)にて陰の味にて引聚(ひきあつむ)る味なれば酸(すき)味 の有処へは津液を引聚(ひきあつむ)るなり故に外より用るときは 内の水気を外へひき内より用るときは外の水気を内に ひくなり故に多(おゝ)く酸味を食すれば痩(やす)るも内より用 る故に津液を内へひき又酸味の物を多(おゝ)く食すれば 【左丁】 下利するも内へ水気を引く故なりまた魚肉を酸(す)に 浸(ひた)すときは肉の白くはぜるも肉中の水気を外の酸 へ引く故なりまた酸貝(すがい)を酸にひたす時は貝(かい)の動(うご)くも 貝の内の水□を外の酸へひかんとすれども貝(かい)は肌(きめ)の 至てこまかにして内の水気出がたき故に貝ともに引 くこれは皆外より引くの理(り)なり ○鹹味(しおはゆきあじ) 鹹き味は元 淡(あわ)しき水に日輪の陽気を以て再(ふたゝび)烝(む)し 塩味となりたるもの故に陰陽を具(ぐ)したる味にて此 鹹味を絶するときは気力(きりよく)衰(おとろ)ふるもの也扨此鹹き味に