翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 86

ページ: 86

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【右丁】 三焦より発越すること甚しき故に顔色青くなるに したがふて神気は沈(しづみ)て裏に入り神気さはやかなら ざるなりまた夜陰(やいん)に酒(さけ)を飲めば下利する事 多(おゝ)し是 いかなれば夜(よる)は人の毛孔(けのあな)ふさがる故に酒陽気外へ出る 事 昼(ひる)のごとくなりがたき故 息(いき)だわしくなるなり酒の 性幷に腹中(ふくちう)に入りての働きかくのごとくなる故に程 を知(し)りて飲(のむ)ときは薬となり過る時は病(やまひ)となるなれば 常に此理をさとして飲(の)むべし扨また食事は多(おゝ) くすゝむれどもかたち有る物故腹に入りがたき故過 食する事まれなれども酒は消(せう)する杯といひ過(すご)す人 【左丁】 多し酒席(しゆせき)におひてもしひてすゝむるを礼とし客(きやく) も過(すご)したりとも不苦敷(くるしからす)と心得(こゝろへ)て過(すご)する故 後(のち)大(おゝい)に 害(がい)をなす故に酒客は心得有べき事なり ○味(あしわひ)同じけれども性(せい)変(かわ)れば能(のふ)を異(こと)にする事 天に有りては元気といひ物にうくる時は性といふ人にうくる 時は人の性馬にうくる時は馬の性犬にうくる時は犬の性 烏(からす) にうくる時は烏の性となりて鶏(にわとり)の鳴声 烏(からす)に似す狗(いぬ)の吠(ほゆ) る声 馬(むま)の嘶(いなゝき)に混同(こんとう)する事なき是天理自然の性にて 无情(むせい)の草木も亦(また)其理なるが故に薬物(やくふつ)の性といへども 皆是に同じく生(せう)じたるすがたの性を見て咀㕮(そふ)【左ルビ:きり きさみ】し