翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 89

ページ: 89

翻刻

【右丁】 にも甘蔗(さとふ)の類(るい)にかぎるべからず一切 厚味(かうみ)の魚肉(きよにく)膏梁(かうりよう)の 類又皆 多(おゝ)く食するときは歯(は)を傷(そこの)ふことありこれ歯齦(はぐき) に陽気をして多(おゝ)く集(あつま)らしむる故に陽(よふ)鬱(うつ)して腐(くさり) 朽(くつる)する也また平日魚肉を食するものは大根生姜を絶(たや) さず食するも是(これ)歯(は)の朽(くち)ん事を恐(おそ)れての事にて さとふの類一切味の厚(おも)き魚肉等を食せし後は速(すみやか)に 口を嗽(そゝぐ)べし扨また至(いたつ)て味の厚(あつ)き獣肉(しうにく)等を食(しよく)せし 時は生大根を交(まじ)へ食する事よし又厚味を食せし後 は生大根の汁にて歯(は)を洗ふ事よし扨またたはこ は余(あま)り能(のふ)なきものなれども歯のためにはよきものにて 【左丁】 是煙気にて陽気の重りたるを退(しりぞく)る故なり論語(ろんごの)不(はじ) 撤薑食(かみをすてずしてくらふ)之 註(ちう)に薑は神明を通し穢悪(ゑあく)を去る故にすて すとありて漢土は常に肉食する処故に大根よりも又 烈敷(はけしき)生姜を食ふとみゆされども多(おゝ)く食する時は燥(かわ) かすもの故に多くは不用と見へたり思ふに歯をかたく せんとおもはゞ平日 食後(しよくご)に湯(ゆ)水の類(るい)にて口を嗽(そゝ)く事 を忘(わす)るへからずされどかくいへば歯は寒冷を好(この)むごとくに 聞(きこ)ゆれとも左にあらず初にもいふごとく厚き味を食する 時は陽気口中へ多(おゝ)く衆(あつむ)るが故に重(かさな)る陽気を退(しりそけ)んが為(ため) に水にて口 嗽(そゝぐ)也また歯の痛(いたみ)に灸(きう)をする事あり灸(きう)は