翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 93

ページ: 93

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【右丁】 類(るい)には尺余(しやくよ)の針(はり)を用るごときは是 一身(いつしん)に水気(すいき)を得て 腫(はれ)たる故に浅(あさ)き時はてつせざる故に長針(てうしん)によろして【ママ】 また三稜針(さんりよふしん)をさしては只 皮(かわ)を切(き)る已(のみ)にて浅(あさ)きをよし とし只 出血(しゆつけつ)し陽気(よふき)を瀉(しや)するのみをよしとす頭痛(づつう)肩(けん) 痛(つう)抔(など)にも三稜針(さんりよふしん)を用て出血し速(すみやか)に功を得る事 是(これ)也 或(あるひ)はまた毒虫(とくむし)に咬(さゝ)れたる時は速に三稜針を用て出血 すれば後日の憂(うれい)をまぬかるこれ忽(たちまち)の功(かう)を得(う)るまた深(ふか)く刺(さす) 事を禁(きん)ずる処は胸(むね)肩(かた)背(せなか)にては七の椎(すい)より上は深針(ふかばり)を 禁(い)む是(これ)心臓(しんそう)に当る時は忽死に至(いた)る故也また鳩尾(きうび)の穴(けつ)は諸(しよ) 病(びよふ)を治(じ)するの要穴(よふけつ)なれども禁穴といへるは心臓に近きゆへ 【左丁】 未熟(みじゆく)の術(じゆつ)にてみだりに刺(さ)す時は心臓に当らん事を恐(おそ) れて禁穴(きんけつ)といへるものにて其他は腹(はら)より背(せ)に貫(つらぬ)き たりといへども害(がい)なし只針を恐るゝは心肺(しんはい)の辺(へん)のみ ○無病(むびよふ)の術(じゆつ) 朝とくおき出ていまだ日の出さる先に手洗(てうづ)抔つかひ心 せはしくもたず緩(ゆる)やかにして外面(そとも)に出て東方(ひがし)にむかひ 其時心を丹田におさめ口よりして天気のいさぎよきを吸ひ 其気を臍下丹田におさめしばらくして其気を鼻(はな)より して静(しづか)にいたすかくのごとくする事三度是を長息(てうそく)の術(じゆつ) ともいふしかうして其後 食事(しよくじ)抔(など)し足の三里に灸(きう)する