翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

こけぬ津え - 翻刻

こけぬ津え - ページ 94

ページ: 94

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【右丁】 事七壮ばかり此術を毎日する時は生涯無病なりと いへり尤心を臍下丹田におく事は常に心がくべし如斯する ときは小腹(せうふく)に力(ちから)つき物事に驚(おどろ)く事なく性質(せいしつ)静(しづか)になる 此術善生の先務(せんむ)なり初め息(いき)の段(だん)にいふことく人は息(いき)の 往来(おゝらい)をもつて生(いけ)るものなれば是よりして病(やまひ)も去(さ)り又病 をうくる事もあり其故は臭気(しうき)鼻孔(はなのあな)より頻(しきり)に入るときは 忽(たちまち)吐をもよふし胃をそこのふ又香気を数(しば)〳〵きくときは 気を下降(けがう)し痞(つかへ)をのぞき食をすゝめ胃を養ふこれ皆気よ りしてなす処なり又人に伝染(てんせん)する病(やまひ)も其ごとく気より して伝(つた)ふ其故は一人の病(やまひ)を家内に伝(つた)ふるがごとしこれいか 【左丁】 なれば病人の呼吸する処の息(いき)其 席(せき)にこもりあれば其気 を不病人にも呼吸する故に虚弱(きよじやく)の人は終に其病を伝(つた)ふ 故に平生(へいぜい)といへども寝処(ねどころ)は朝(あさ)ごとに風(かぜ)を通(とふ)し気をして 往来せしめ衣衾(ふとん)なども寝息(ねいき)の臭気(しうき)などなき様に 払(はら)ふ事よしこれをたとへば盆池(せんすい)に魚(うを)を養ふに其水にいさゝ かの毒気まじる時は忽池中の魚いたむ其時水をかへあら たむる時は又こゝろよく生(いけ)るがごとし故に空中は魚の水の ごとし人は気中に居りて呼吸(こきう)を本とするもの故に其 気に疫気(ゑきゝ)交(まじわ)る時は忽(たちまち)病(や)み又其気に不触(ふれざる)ときは不病がごと し故に虚弱(きよじやく)の人にて熱病の介保(かいはう)などするときは必同