伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 岩崎家 (3) 2

覚 - 翻刻

覚 - ページ 2

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【右丁】 得んや第一蚕は正敷生を備りたる名虫にて男 女 しんくの手になれりゆへに金銀に不足なき人も其 とちにそなはらは蚕に心をよせ身に不自由の苦労 をなしかひそたて上りに残らす悪敷なる事是 たしかなる養育をしらさるゆへ也それ養蚕の手 たては亭主の心かけ専一也よくとまよひの両道にわかれ 第一たねもとを正し譬は亭主五枚はかんとおもはゝ 四枚にへらし家分限よりよけいにはくへからす とかくたねもとをひたり【うヵ】にせす多くは其所により非 道に直段をこきる事を手からにする人有これ大きに そんなるへしたゝ現在に見ゆることく心さし悪敷 場所にては年々悪たねをもとめ蚕さんく【〳〵ヵ】にして 村から悪し又よき場所にては聞およひ家は人に まさるへし人はわれをとらしと勝たる上たねをあ たへるゆへ年々蚕繁昌にして富貴なるもの也 【左丁】 蚕種は六月より十月まてすゝしき所にかけ置其後寒水へ入る 事無用也却て手違有へし又は家内にて火をつよく焚 せつ其心得有へし重【たヵ】ねはかりにあらす蚕も左之通也 第一蚕しつめはく事秘伝なりはき立の前たね 二枚に籾ぬかを一俵のつもりに■【干ヵ】とをしにてこみを とり置或はこばかいの所はすきま〳〵を残らすはり 鴨居より高くつりたなをこしらひ蚕一ツ■【出ヵ】のしたる 頃つき紙につゝみ炉より五六尺去高き所にかけ置へし 一旦に出る利也大火をたきゑからす事無用二日 目の四ツ時より八ツ時まてあたゝかなる節ときおろし 若雨ふりか或は寒き節にはかたはらにて昼夜火 少しツヽ焚へし元来はき立のやうきは常にわか 身を袷と単物にてよき心持にてかふへしまたは やうき変化してしれさる時は年々蚕繁昌の家 に行其やうきをとりて来るへし其節に限らす