翻刻
【右丁】
召て其名をとふ当国本庄か牢人鍋島平右衛門尉茂尚《割書:龍造寺記|には清久》
嫡男同き左近清正二男孫四郎清房并に一族郎等と
名のる家兼嫡男清正妻やあるととふ候とこたふ二男
いまた妻なしと聞て家兼か嫡子豊後【右に「イに前」】守家純か聟に
なして駿河守に受領させ本庄八十町の地をあたへけり《割書:按する|に大友》
《割書:少弐龍造寺鍋島四家ともに同し流の藤氏也秀郷四代の孫相模守|公光といふは是龍造寺か祖也公光か弟近江守脩行より四代近藤武者》
《割書:景頼か嫡子は近藤武者所能成といふ能成か後は大友也二男は武藤大|蔵丞頼平かのち少弐なり鍋島は少弐か家の庶流也〇龍造寺記に云》
《割書:秀郷七代の孫藤原の季喜か時に八郎御曹司源為朝にしたかひて鎮|西にとゝまり龍造寺に住す季喜十二代の後胤山城守家兼也》
《割書:此流をは水か江の龍造寺と名つく家兼か嫡子豊前守家純か子を|六郎次郎周家といふ周家か子山城守隆信か時に至て家をおこし》
《割書:武威を九国に|ふるひしと也》駿河守清房男子ふたりをまうく兄は
【左丁】
豊前守信房弟は加賀守直茂也直茂初は左衛門大夫
信生と名のる兼茂等か外祖豊後守家純父家兼にさ
きたちて卒す家兼入道剛忠卒せし時二男和泉守家
門家をつき舎兄家純か子六郎次郎周家をよつきとす
周家また世をはやふし其子長法師丸父祖の跡をつく
山城守隆信これ也かくて駿河守清房年頃の妻に
おくれてひとり住しけるに山城守隆信か母清房をめし
てわ殿子息等か母うしなふてたゝひとりすむときくわらは
なかたちして老のねさめの友むかへて参らせんとありしかは
清房つゝしみて領掌す既に其期にいたりて隆信か