翻刻
【上部欄外】
馬病
【本文】
馬の病も大半人の薬にて皆 効(しるし)あるものなり扨(さて)
息合(いきあひ)といふものは人にもあれど人は兼(かね)而より呼(こ)
吸(きう)を己(おのれ)と養(やしな)ふ故 卒倒(そつたう)する事 稀(まれ)也然といへ共
強(つよ)く馳(はせ)んとする時は人参(にんじん)を含(ふく)むべし或は梅干(むめぼし)
もよく馬の息合にもよしとす又 塩(しほ)を舌(したの)上に
ぬり水にて飼(かふ)へし一切の息合の薬は皆 麝香(じやかう)
の入ものなれは解毒(げどく)丸を水に磨(ま)して用ゆ
べし然とも人 糞(ふん)を少々 飲(のま)しむるにはをとる
べし是を妙法とす又 遠馬(ゑんば)の時 轡(くつは)のはみに麻(あさ)
の切(きれ)に塩梅(しほうめ)を弐ほど核(さね)を去りて包(つゝ)み結(むすび)つけ
る事あり下手(へた)にては兎角(とかく)に馬を助(たすく)る事
なく上手(しようず)なれは馬の疲(つか)れぬやうに乗(のる)なれば
常(つね)に其 技(わざ)を調練(てうれん)するにしくはなし
【上部欄外】
息合
【本文】
息合(いきあひ)の方
人参 一両 甘草 同 辰砂(しんしや) 同 麝香(じやかう) 二朱
右 細末(さいまつ)して練蜜(ねりみつ)にてねり耳かき一つ汲立(くみたて)