翻刻
踏抜(ふみぬき)せん事をふせきて草鞋(わらじ)の間に革(かは)をは
さみ又 鼻返(はなかへし)もする是は水に入て潤(うるほ)ひぬれば柔(やはらか)
に成て用心に成かたし真綿(まわた)をかな敷のうへ
にて水をそゝきて幾度(いくたひ)も打(うつ)時(とき)はきたへ革(かは)の
如く成是をつまさき迄もくるみ其上に革(かは)の
鼻(はな)かへしにす水に入てしめるほと鋒刃(ほうぶん)をも凌(しのぐ)
へし足袋(たび)へは猶更 底(そこ)の外(ほか)にも此 綿(わた)を入て製(せい)
すへし此外色々の仕方(しかた)はあらんなれとも重(おも)く
なりて歩行(ほかう)不便利(ふべんり)なれはよきほどあるへし
真綿(まわた)の用意(ようい)は常(つね)に具足(ぐそく)を真綿(まわた)に包(つゝみ)置(をく)べし
其侭(そのまゝ)に持行(もちゆけ)は寒気(かんき)強(つよき)とき肌(はだへ)にまとひて
防(ふせ)くへし陣(ぢん)中へは衣服(いふく)も多く携(たつさへ)かたき
故なり外邪(ぐわいじや)をのがれ疝積(せんしやく)なとも凌(しのぐ)へし
【上部欄外】
骨硬
【本文】
又 魚骨(うをのほね)喉(のと)にたちたる時に飲(のむ)もの一成程に
丸して飲(のむ)へし魚骨(うをのほね)綿(わた)につきて下る也 虫(むし)を避(さけ)
むとて具足(ぐそく)箱(はこ)の内に樟脳(しようのう)を入へからす猶更