翻刻
用て下す
巴豆(はづ) 《割書:去(かはを)_レ皮(さる)|》 大黄(だいわう) 乾薑(かんきやう) 《割書:各(おの〳〵)等分(とうぶん)|》
右 細末(さいまつ)きしり合せ糊丸(のりくわん)にして常(つね)に懐中(くわいちう)に
断(たえ)す貯(たくは)ふへし亦馬のばりつまひに用て
奇験(きげん)有一度に三四分を用ゆ馬には六七分も
用る事有へし人の食傷(しよくしよう)かるきには二分
許(ばかり)にて宜(よろ)し
【上部欄外】
金瘡
【本文】
金刃傷(きりきず)は外科(げくわ)にあらざれは治療(ぢりよう)なりかたけれ
とも所により医(い)の来らんまて待(まち)かたき時も
あらむ爰(こゝ)に神妙の法を傳(つたへ)へ示(しめ)す疵口(きつくち)に
乾血(かんけつ)あれは後日(ごにち)に膿(うみ)を催(もよほ)して治(ぢ)せざるもの也
焼酒(しようちう)に湯(ゆ)を半(なかば)にして洗(あら)ふ焼酎(しようちう)なくは常(つね)の酒も
用ゆ夫もなくは人 尿(いばり)を用ゆへし洗(あらひ)て後は鶏卵(たまご)の
白みを取(とり)温飩(うどん)の粉(こ)を和(くわ)して拌(かきま)せ能々(よく〳〵)摺合(すりあはせ)て
布(ぬの)に傅(つけ)ること膏薬(かうやく)の如して疵口(きずくち)を合て是を
はる疵口(きずくち)いかにもはなるゝ事なく極妙(ごくめう)也 布(ぬの)は