翻刻
あたゝめすして早く火に近付(ちかつけ)る時は冷気(れいき)と
火気と争(あらそ)ひて必(かならす)死と也冬月 溺水(てきすい)して衣服(いふく)
も凍(こゝほ)り少も人事なくとも但 胸下(むなした)微(すこし)温(あたゝか)ならは
救(すく)ふ事なるへしもし微笑(びせう)する姿(すかた)あらは早く
其口 鼻(はな)を掩(おほ)ふへし笑(わら)ひて不正ものは救(すく)ふ事
あたはす又 俄(にはか)にあはてゝ火に近(ちかづ)くへからす火を
見る時は大笑(たいせう)して救(すく)ふへからす
凍死(とうし)既(すで)に救得(すくひえ)たる時は生姜(しようか)皮(かは)とも搗(つき)くたき
陳皮(ちんひ)こまかにして水三盃一盃に煎(せん)し温服(おんふく)す
【上部欄外】
魘死
【本文】
魘死(えんし)睡中(すいちう)に忽然(こつせん)として死する也皆 中悪(ちうあく)とす
韮(にら)の葉(は)の心(しん)を以男子は左女は右の鼻(はな)の内に刺(さし)
入る事六七寸なれは目 開(ひら)き血出る時は即(すなはち)よみかへ
る又 上唇内(うはくちひる)に粟(あは)米粒(こめつぶ)ほとの出来物(できもの)あらばかゝげ
破(やぶ)るへし又上 醋(す)を綿(わた)にしめして鼻中(びちう)にしぼり
其両手を提(にぎ)り驚(おどろ)かしむる事なかれ亦 臍中(さいちう)に
灸する事百 壮(さう)鼻中(びちう)に皀角(さいかち)末(まつ)を吹入る或は