翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

養生随筆 三冊(上・中・下) - 翻刻

養生随筆 三冊(上・中・下) - ページ 10

ページ: 10

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【右丁】 趣(おもむき)を知(し)るのみにて必竟(ひつけう)は穴(あな)しり穴さがしにて深(ふか)く其 情(しやう)を知る 者にあらす故に粋(すい)が川とて我(わが)輩(ともから)のことくに終(つひ)に花街に溺(おぼ)るゝ もの也 顧(おもふ)に是(これ)恐(おそ)らくは粋(すい)と推(すい)と音(こえ)相(あひ)通(つう)ずるの誤(あやまり)なるべし 推とはすいもじ又はすいしたまへなとゝて花街の情をよく能(よく)推察(すいさつ) する者をば推人といふへし嘗(かつ)て冨士谷(ふしたに)御杖主(みつゑぬし)の哥を見しに 遊(ゆう)女を見てといふ端書(はしがき)にて つゞれさへさゝぬ衿(しとね)の下(した)に寐(ね)ていづ くに母(はは)の袖(そで)しほるらんと是等(これら)推人(すいじん)の歌と云べしそれ妓(き)なる者(もの)は すへて皆身に錦繍(きんしう)を纏(まと)ひ頭(かしら)には玳瑁(たいまい)を戴(いたゞ)くといへとも己が心 中の苦(くる)しみの如(ごと)きは人のしらざる事のみぞ多き其 苦海(くかい)なる 【左丁】 を推察(すいき)してこれに溺(おぼ)れ陥(おちい)らさるを推(すい)とはいふなりと升宇は善 道か教(をしへ)によつて華街の情態(しやうたい)を了悟(れうご)して陥溺(かんてき)を免(まぬが)れしと浪華 の某(それかし)か予(よ)に語(かた)りしなり孔子ノ曰 少(わかき)之時(ときは)血(けつ)気(き)《振り仮名:未|いまた|す》_レ定(さたまら)戒(いましむる)_レ之(これを)在(あり)_二乎 色(いろに)_一色とは容色のことにて閠閤(けいがう)中の事のみをいふには非す されとも容色(ようしき)を愛(あい)するより自然(しぜん)と閠中(けいちう)の事も節を失(うしな)ふに 至る少き時は血気(けつき)「《振り仮名:月+耎|なん》」柔(にう)なること竹筍(たけのこ)のやはらかなるか如く血気 いまだ定(さだ)まらざるうちに節を失へば其 生質(せいしつ)《振り仮名:強|きやう|つよく》なる者も《振り仮名:弱|しやく|よはし》と なり終(つい)に寿を保(たも)つことを得ずと戒(いまし)めたまふ也人 幼少(ようしやう)のとき 生質(せいしつ)色(いろ)に疎)(うと)く又は故(ゆへ)有て色にうとく又は技芸(きげい)などを好(このん)て