翻刻
銀杏(きんなん)は肺(はい)温(あたゝ)めて嗽(せき)を治(ち)し痰(たん)を除(のそ)いて濁(たく)をとゝむる
海松子(かいせうし)脾胃(ひゐ)肌肉(きにく)おは養(やしな)ふて多年(たねん)食(くら)へは老(おひ)さるといふ
竜眼(りうかん)肉心(にくしん)脾(ひ)虚損(きよそん)を補(おきな)ふて魂(こん)を強(つよ)ふし思膚(しりよ)【「慮」か】を安(やす)んす
胡桃(くるみ)能(のふ)気(き)おは補(おきな)ひ血(ち)をまして腰脚(やうきやく)重痛(てうつう)疝気(せんき)にそよし
榧子(かや)はよく五痔(こし)寸白(すんはく)に効(こう)ありて営衛(ゑいゑい)陽道(やうとう)筋骨(きんこつ)をます
甜櫧子(しいのみ)は疥癬(ひせん)を発(はつ)し脾(ひ)をいたむ病人(ひやうにん)小児(せうに)絶(たへ)て食(くら)ふな
櫧子(かし)はそれ洩痢(せつり)を止(とむ)る能(のふ)あれと食料(しよくりやう)にと宜(よろ)しかるまし
天師栗(とちのみ)は何(なに)功能(こうのふ)もなきものに小児(せうに)病(ひやう)人 食(くら)ふへからす
胡椒(こせう)よく中(うち)温(あたゝ)めて気(き)を下し多(おほ)く食(くら)へは肺(はい)を損(そん)する
山椒(さんせう)は食(しよく)を消(せう)して胃(ゐ)をひらき胸隔(きやうかく)を利(り)し虫積(ちうしやく)を逐(お)ふ
都夷香(はくたいかは)泄瀉(せつしや)をとゝめ暑邪(しよしや)を解(け)し毒(とく)なきものとかねて知(しる)へし
《振り仮名:都■子|つくはね》は性(せう)軽(かる)ふして能(のふ)うすく頭痛(つつう)おはよく治(ち)するとそ云
【■は米に念】