翻刻
菱実(ひしのみ)は中(うち)を安(やす)んす能(のふ)あれと多(おほ)く食(くら)らへは陽気(やうき)損(そん)する
木半夏(なわしろくみ)水痢(すいり)をとむる能(のふ)あれと熱病(ねつひやう)の人 食(くら)ふへからす
覆盆子(いちこのみ)虚(きよ)を補(おきな)ふて気(き)おはまし肌膚(きふ)を潤(うるほ)し五臓(こそう)安(やす)んす
桜桃(にはさくら)中(うち)調(ととの)へて脾(ひ)をませと血気(けつき)筋骨(きんこつ)敗(やふ)るとそいふ
桑椹(くわいちこ)酒毒(しゆとく)を解(け)して水(みつ)を利(り)しよく関節(くわんせつ)の痛(いたみ)おは治(ち)す
無花果(いちちく)の胃(ゐ)おはひらいて瀉(しや)をとゝめ五痔(こし)を治(おさめ)て酒毒(しゆとく)解(け)す也
枳椇子(けんほなし)五臓(こそう)を潤(しゆん)し渇(かつ)をとめ酒毒(しゆとく)を解(け)して二便通(にへんうう)する
紅柿(こねりかき)胃熱(ゐねつ)をさまし気(き)を通(つう)し酒毒(しゆとく)を解(け)して口乾(こうかつ)をとむ
醂酒(さわしかき)脾胃(ひゐ)を補(おきな)ふ効(こう)ありて宿血(しゆくけつ)を解(け)し下焦(けせう)濇(しふ)らす
白柿(つるしかき)脾胃(ひゐ)を養(やしな)ひ渇(かつ)をとめ痰(たん)宿血(しゆくけつ)を消(せう)すると知(し)れ
葡萄(ふとう)よく渇(かつ)をとゝめて酒(さけ)を解(け)し食(しよく)をすゝめて小水(せうすい)を利(り)す
柑(みかん)能(のふ)渇(かつ)をとゝめて熱(ねつ)を解(け)し腸胃(てうゐ)ひらいて小便(せうへん)を利(り)す