翻刻
たらんや持病(ぢびやう)有(ある)べきや全く病毒のため唖(おし)聾(つんぼ)也
其毒をさる時は全(まつた)き人となる予が師(し)治療して
難症(なんしやう)を治し病苦を救(すく)ふ術を吾学んで行ふに
則治す爰(こゝ)におゐて広(ひろ)く世に伝(つた)へ道を学ばんと思
ふ人は予が門に至(いた)らば天地自然の理の治療を伝(つたへ)
無病の薬剤(やくざい)を授(さづ)け普(あまね)く万民の病苦を救(すく)ふ事
を希(こひねが)ふ而已(のみ)
病人 看病人(かんひやうにん)の心得を説
世に難症と称(とな)へ不治病と究(きわむ)るは古より治療の治
定なき故病者も不治(なほらぬ)と究(きわ)めその親族(しんるい)も不愈(なほらぬ)と
心得前世の宿業(しゆくごう)或は業病又は神仏の祟(たゝ)り抔(など)と
己より名付て生涯(しやうがい)不具(かたわ)と名付 置(おく)こと難(なげ)かはしきこと
なり適(たま〳〵)天地の間に性(せい)を得(え)て病のため廃(すたれ|はい)人となり
世を終(おわ)ること不幸(ふかう)是より大(おゝ)いなるはなし○癩病(らいびやう)と
称(しよう)する病は親(おや)の骨肉を受得(うけえ)て産(うま)るゝによりて
不治(ふぢ)の症と古(いにしへ)より云伝(いひつた)ふ是天地の間に有心(うしん)無心(むしん)
変化(へんげ)する理(り)を知(しら)ざる也 生(せう)有(ある)もの皆(みな)変(へん)す如何(いかん)となれ
ば鳥(とり)獣(けだもの)といへども生(うま)るゝ時の羽(はね)毛(け)は年々抜 替(かわ)り魚(うを)虫(むし)迠(まで)