伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(五) - 翻刻

藩翰譜(五) - ページ 10

ページ: 10

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【右丁】 彼家亡ふへき時既に至りぬほろふへき家の方人して 当家累代の功忽にむなしからん事口惜かるべき次第也 しかるに今織田殿かく多年の恨みをすてゝ隣国のよしみを 結はるゝ事且は当家の幸且は当時の誉也すみやかに 御同心のよしを伝られへきにて候とて伯耆守か許より 同心の返答をそしたりける信長なゝめならす悦ひ元康の 心をはしりぬ此上は彼舅下野守信元の中たちよかんぬとて 頓て御対面の後行はる織田殿見参のしるしなれはとて 長光の御太刀に吉光の御刀そへて引出物にそなされける 《割書:織田殿と御和睦 ありし事いつれの|書にも詳ならす此説伊束法印か記に出》氏真此よしを伝へ聞以ての外に 【左丁】 いかつて竹千代殿をさきとして御家人等か人質こと〳〵く うしなはるへしと聞ゆ此事又大方ならぬ難義なるに雅楽介 政親此事におゐては某いかにもはからふへし御心安思し めされ候へと申て御家人のうちを撰て成瀬藤五郎を使とし 氏真無双のきり人三浦右衛門佐につきて其旨趣を陳す抑 亡父広忠か時より元康か身に至る迄故治部大輔殿の御情 を蒙て候事いかてか忘れ候へきさるによつて御被官の列に 候し既に嫡子竹千代丸を質として参らせ候ひぬ元康に 候へ義元朝臣の御情を忘れ候ともいかてか父子の哀をしら て候へき父元康こそ義元朝臣の御情をも忘れ父子の哀