伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(五) - 翻刻

藩翰譜(五) - ページ 11

ページ: 11

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【右丁】 をもしらす共家人等か質としてまいらせたる或は妻子 或は兄弟をすてゝいかて元康にしたかつて屋形にはそむき 奉るへきされは家人等かそむき奉らさらん内は元康たとへ 無道を存すとも誰をたのみて御うしろめたき事仕べき よつて此条をもつて元康か二心なきをしろしめしきはめ らるへきものかこゝに元康年来日頃義元朝臣の旧恩に 報ひ参らせん事を思ふといへとも一身の微力を以てその 本意を達しかたし先考の御弔【吊は俗字】のために御合戦あらんには かならす御先を承るべきのよし望請ふ事度々に及ひぬ かるかゆへに元康御敵の方人等と怨をふくみ仇を結んて日々 【左丁】 夜々に戦ふ事既に三年しかりといへともいまた一度の御加勢を も給らす又御弔【吊は俗字】の御合戦いつあるへしといふその期をしらす されは 尩弱【𪼷は誤】の元康只一人わつかなる勢を以て多くの敵の 事にたつて御弔【吊は俗字】の御合戦あらん期を待ん事かなふへからす しはらく信長か請によつて兵をも休め力をも養ふ事にて こそ候得今日にも尾張の国にむかつて御勢を出されん には元康御さきをかけて御かたきをほろほし旧恩に 報ひまいらせん事先に申せしにたかふ事あるへからすと 申けれは氏真も誠にふかき謀也とて其心とけてけり いく程なくて又徳川殿を恨み軍起して戦やむ事なし