翻刻
【右丁】
関宿の城を賜ひ《割書:此時一万石を加られて|五万石を領しぬ》延宝七年六月
廿後日に卒す男出雲守重定家をつきこの年
九月十二日御奏者の事を掌る
【左丁】
稲垣
平右衛門尉源長茂は伊勢国住人稲垣三郎重泰か
後胤也中頃の先祖文明年中三河国にうつり
牛窪に住す長茂か祖父藤助重賢父は平右衛門尉
重宗とそ申ける長茂父祖より 牧野か家に つ
かへ長茂か身におよひて右馬允康成を補て家の
事を司とる天正十年の秋 徳川殿武田か国にうち
したかゑんとて御勢をむけられしはしめ長茂仰を
承て足高山の麓天神堀の要害を守らせらる
《割書:後に渡辺|半蔵にかはる》同き十一年駿河国長久保の古城を修し