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【右丁】
御事を承り候ものかな いかて此所にはすて置奉るへき
たゝ御館へこそわたらせたまふへけれと申その時なく〳〵
仰けるはみつからかくてあらんには下野殿さるはらあしき
御人にておことら一人もいきて帰らん事叶ふべからすみづから
こそおもはすも 岡崎殿にわかれ参らすれと 竹千代殿
おはしませはその方さまの人々をばいかばかりいとをしと
おもふそや又竹千代殿めてたうをひたゝせ 給はんのち
さすが遠からぬ間也 などか終には 下野殿としたしう
ならせ給はさらんそれに今おことらか命うしなはれば
長き恨のたねとなりしたしうなり給はん事いかにも
【左丁】
かなふへからすみつから方さまにて竹千代殿の御ために
したしうも又便りにも御覧すへき人は下野殿はかりにてこそ
おはすれおことらを いとをしうおもふば かりにもあらぬ
ものをたゞみづからにまかせよとなき くどかせたまへば
二人の者をのれらがいのちははしめより若君に参らせ置ぬ
をしむ所いさゝかも 候わすさりなから御行末遠く
思しめしはからせ給ふ御心をむなしくなさせまいらせん事
実も若君の御ためしかるへからず此上はいかて仰にそむき
奉へきとて此所の里人等をめしあつめてこれにまします
御方は下野守殿の御妹君にてわたらせたまふそ 汝ら