伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(四・上) - 翻刻

藩翰譜(四・上) - ページ 13

ページ: 13

翻刻

【右丁】 明る十一年姫君相模国に入らせたまひ忠次送り参らせ けり十二年の春の頃筑前守秀吉北畠殿にそむきて尾張 の国へ発向すと聞えけれは徳川殿信雄をたすけて尾張国に 至りたまふ池田紀伊入道信輝か孫秀吉にくみして美濃 国大柿の城をたつてまつ犬山の城をおとし犬山に陣を とり入道か聟森武蔵守長一羽黒に陣をそとつたり けれ忠次落合の御陣に 参り長一年来鬼武蔵と名を よはれをのか武勇を たのみにして近く羽黒に陣をとる 忠次うちやふつて京家の輩に此国の軍の様を見せ 候ははやと申して東三河の人々を引具してまつ楽田 【左丁】 羽黒五郎丸の在々所々おびたゞしくやきたてゝ武蔵守か陣に をしよす長一八幡の森を打出て流るゝ水を前になし はら〳〵と下知し皆おりしきてそ待かけたる御方頓て をし寄て矢ひとつ射ちかふるほとこそあれ水をさつと 渡しておめいてかくかたきしはしはこらへ戦ひしか散々に かけやふられ犬山さしてにげゆくを追つめ〳〵討とりて 犬山にひかへたる池田か陣に打むかひ時をとつと作りかけ しづかに引てぞ帰りけるかゝる所に秀吉十万余騎をした がへて既に美濃国にうち入と聞えしかば御方いつくに 陣とつてか戦ふと 評定あり小牧の山よかるべしとて