伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(四・上) - 翻刻

藩翰譜(四・上) - ページ 64

ページ: 64

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【右丁】 さふらふ諸大名まつ引返して上方に向ひ軍せんとす此時 直政本多中務少輔忠勝と私にあひはかつて諸大名と共に 馳向ひ軍仕らんと申す徳川殿上方のありさまもいふかし 又此人々の心もはかりがたし汝等かむかはん事然るへからすと 仰けれは此人々ばかり向ひて勝軍したらんには天下をは我等が とりてこそ内府へは参らせたれといはん事の口惜く 候へば ひらに御許あれと望みしかば下野守殿を海道の大将軍とし 《割書:後に薩摩守殿と|申参らせし御事》軍奉行には井伊本多をさしむけらる さてこそ九月十五日の軍をも直政か手より始けれかくて 御方手合に勝軍し徳川殿やがて上らせ給ひつ東西の 【左丁】 軍美濃国関ヶ原にして勝負を決す直政手の者ともに 下知して軍させ我身は下野守殿の御陣に参り《割書:守殿は直政の|聟君なり》 殿は此度の御軍ははしめなる御勢をはこゝにとゝめられかち たちの兵少々めし具せられ先陣の人々か軍するやうを御覧 あるへう候と申し御供して福島左衛門大夫正則か陣のわき よりうち出んとす正則か士《割書:蟹才|蔵也》今日の先陣は福島か給て候 をさきかけんとし給ふは誰そ狼藉也とをしとゝむ直政これは 下野守殿先陣の人々の軍するやう 御覧あるへきにて井伊 の侍従の御供にさふらふ也されは御勢をも くせられす 通しまいらせよといふさてはくるしからすとて道をひらく