伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(四・上) - 翻刻

藩翰譜(四・上) - ページ 76

ページ: 76

翻刻

【右丁】 給はぬ事也とも我等か謀にしたかはせ給はんは大殿の御心に任せ らるゝにあらすやと申しける上は御心にも 任せ給はすされば 彼城をせめうせめしのあらそひにも 日をこそ 移し候ひつれ それは父子の御中にて わたらせ給へは 凡の事の御教訓には いかほどの御勘当もなどなからさらん御年も壮にならせ給ふ 御子の行末は天下の事をもしろしめさるへきを弓矢取ての 道に父の御心に叶はせ給はさりしと人の侮申さんは御子の 恥辱のみにあらす《見せ消ち:父|父》の御身にもいかて其嘲をまぬかれさせ 給ふへきこれほとの御遠慮のましまさぬこそうたてけれと 涙をなかし諫奉れは徳川殿御心とけて明れは九月廿五日 【左丁】 伏見の御陣にそ御対面有て海道の軍のやうを御物語 あり山道の軍をも向せ給ひしかは中納言殿みつから御筆を 染られ康政か此度のこゝろざし我家のあらんかきりは子々 孫々に至ても忘るゝ事あるましき由の御書を給りしとそ 聞えけるかくて此程の軍の労をもなくさめんと侍従直政《割書:井|伊》 中務少輔忠勝《割書:本|多》康政と共に夜一夜酒のみあそびしに直政 康政にむかふて 扨も 此度和殿か身をわすれていさめあら そひしによつて御父子の中たいらかにわたらせ給ふ事 御家と国との御為のみにあらす凡世の為天下のためにて 侍れはいかなる勲にも功にもまさりぬとこそ存れといひし