翻刻
【右丁】
山巵子(くちなし)をきざみ水に浸(ひた)しその汁(しる)を交(ませ)てよし爵(う)
金未(こんのこ)【末】を用ゆるは香(におひ)悪(あ)しきゆへよろしからす
△右のいろ付の藷(いも)五色ともちいさく円(まる)め色を取
合せ菓子(くわし)に遣(つか)ふて甚よし尤/砂糖(さとう)を交合(ませあは)すべし
是(これ)を五/色(しき)いもといふ
[十九]海鰌(くじら)いも 生にて擦(おろ)し釜底墨(なべずみ)にて色を付/蒸(む)し
筥(はこ)の内へ二/分(ぶ)程(ほど)にむらなく敷(しき)其上(そのうへ)へ其/侭(まゝ)の擦(おろし)い
もを一寸/計(ばかり)入(い)れ蒸熟(むしあけ)切(きり)て麻油(あぶら)にて少(すこし)煠(あげ)る
【左丁】
[二十]辛板糕(かせいた)いも 蒸藷(むしいも)馬尾篩濾(すいのふこし)百目 粳米粉(もちこめのこ)【注】五十目
砂糖(さとう)廿匁 辣茄末(とうからしのこ)二/分(ふん) 溲合(こねあわ)せ箱(はこ)に入(いれ)蒸(むし)あげ
二日ほど置(おき)一/分(ぶ)程に切て乾(かはか)し鏊子(やきなべ)にて焼(やき)用
[廿一]最中月(もなかのつき)いも [六十六]藷精(いものじん)を[十七]鶏卵刴(たまごわり)いもの如(ごと)く
溲(こね)て打展(うちのば)し二寸ぐらひの円(まる)に切乾上/焙炉(ほいろ)にかける
石蜜末(こほりおろし)を入て溲(こね)るもよし
[廿二]未噌/漬(つけ)いも 生(なま)にて薄(うす)く切/未曽(みそ)一層(いつぺん)紙(かみ)一層いも
一層と幾層(たん〳〵)に漬(つけ)るなり
【注 「粳」の読みは「うるち」。「糯」の読みは「もち」。漢字または振仮名のの誤】