翻刻
【右丁】
妙品
[八十五]水前寺巻(すいぜんじまき)いも 生(なま)にておろし麪粉(うどんのこ)少(すこ)し入(いれ)棒(ぼう)に
とり水前寺苔(すいぜんじのり)水(みづ)に浸(ひたし)よく水気(みづけ)をとり右(みぎ)のいも
をまき竹籜(たけのかは)につゝみ糸(いと)にてくゝり蒸(むす)なり○
また蒸いもすいのうこしを用ゆるもよし
[八十六]巻氊(けんちゑん)【注①】いも 生(なま)にてをろし 栗子(くり)の針(はり) 木耳(きくらげ)
皮午蒡(かはごぼう)【注②】 緑豆芽(ぶんどうもやし) 稀豆油(うすせうゆ)あぢつけ いり
銀杏(ぎんなん)二ツ割 黒胡麻(くろごま) 右(みぎ)七色(なゝいろ)まぜあわせ◯
【左丁】
腐衣(ゆば)を水に浸(つけ)板(いた)にひろげ右のくを四分ほどの
厚(あつ)さにむらなくしきならべ堅(かた)くまき干瓢(かんひやう)に
てくゝり巻(まき)どめに葛(くす)の粉(こ)水にて溲(こね)ぬりつけ
麻油(こまのあぶら)にて煠(あ)げ小口より七八/分(ぶ)ほどにきる
[八十七]加須底羅(かすてら)いも 生にてをろし[六十六]藷(いも)の精(じん)を少(すこ)し
合せ 鶏卵(たまご) 砂糖(さとう)等分(とうぶん)に入れ鏊子(やきなべ)にて上下
に火をいれ焼(やき)罌栗(けし)【注③】ふりてよし
[八十八]片食(ペいしん)いも 葛(くず)を水にてとき酒(さけ)少し合せ是(これ)にて
【注① 「氊」は「饘」の誤】
【注② 「午」は「牛」とも】
【注③ 「栗」は「粟」の誤】