翻刻
[百十四]ハンペンいも [六十六]精(じん)を水にてうすくとき葛湯(くずゆ)
の如(ごと)くたき冷(さま)し置(おき)○生の藷(いも)をおろし豆腐(とうふ)
と生麩(なまぶ)を少(すこ)しつゝ入右の精の烹(た)きたる汁(しる)にて
糊(のり)のごとく溲(こね)合を蓋茶(ふたちや)はんにいれ茶(ちや)わん共(とも)
に蒸(むし)葛餡(くずあん)かけ又(また)は山葵醤(わさひみそ)をかけたるもよし
△又は薄板(うすいた)の筥(はこ)にいれ蒸あげて角(かく)に切(きり)葛餡(くずあん)
かけにするを南禅寺(なんぜんじ)仕立(したて)いもといふ
[百十五]南禅寺(なんぜんじ)仕立(したて)いも 右にいでたり
[百十六]樺焼(かばやき)いも 生にて擦(おろ)し三 分(ぶ)ほどにのばし蒸熟(むしあけ)
て直(ぢき)に紫苔(あさくさのり)の上(うへ)へならべしばらく置(おき)よくひつ
つきたるときよきほどにきりて麻油(こまのあぶら)少 引(ひき)
山椒(さんせう)豆油(じやうゆ)付(つけ)やきにする
[百十七]ふは〳〵いも なまにてをろし雷盆(すりばち)にてよく擂(すり)
馬尾篩(すいのう)にてこし鶏卵(たまこ)打(うち)わりすりまぜ豆油(せうゆ)
の達矢汁(たししる)に酒味(さかしほ)もたせよく烹沸(にへたゝ)しその中え
すくひ入しばらく蓋(ふた)をしてよくふき上(あがり)たる時(とき)
もり出(いだ)すべし胡椒(こせう)のこうへにおく