翻刻
【右丁】
の地に移る《割書:これは録【禄の誤】薄くして亀山の城を守りかたきゆへに望請ふ事|ありし故也といふ新張五千石拳母の地七千石すへて一万二千》
《割書:石と|なり》明暦三年十二月二十九日に卒す五十八歳其子能登守
康勝《割書:のちには|土佐守》父につぎ寛文四年三河国田原の城に移さる
《割書:一万二|千石》子息出羽守康歓【雄の誤ヵ】延宝二年十二月廿七日叙爵
【左丁】
西郷
若狭守源正貞は三河国西郷の住人源正左衛門尉正勝か曽孫也
正勝代々西郷の城に住し永禄の頃ほひ はしめて
徳川殿に属しける今川上総介氏真やすからぬ事に
おもひて同しき五年九月 十一日軍勢をさしむけ西郷の
城を襲しむ正勝嫡子元正父子ちつともさはかす城ををしひらき
きつて出て戦ふ元正たちまちにうたれてみかた既に危く
見へし所に二男孫九郎清貞 隣郷に在てこれをきゝ
鞭鐙をあはせてかけ来る徳川殿の御勢も 馳加りし程に
正勝いよ〳〵力を得て 諸卒を下知し 戦ふてかたき