翻刻
[つゞき]今は
はやかなふまじ
いざ〳〵しろを
あけわたし
いづくへなりとも
おちゆくべしと
きやくも
あるじもいつとうに
風にこのはのちる
ごとくむら〳〵ぱつと
にげちつたるかと
おもへば竹庵が
ゆめはさめぬ
かゝりしのちは竹
あんもせんき一通りには
右のせんしやくとうを
もちひてしよにんを
こゝろみるに万人に
一人も治せずといふ
ことなかりければ
思ひのほかの金
ぎんをえてめでたき
はるをむかへけるぞ
めでたし〳〵〳〵
〇書林永壽堂新刻目録 江戸馬喰町二丁目角 西村屋興八
今様櫛𬕮雛形/(いまやうくしきせるひながた)前北斎為一先生画 中本全三冊 櫛のまきえきせるの彫となるべき絵様を品ゝ書れたれば御二品にかぎらず画習ふ人は更也すべて雅品を製するもの手本と成べし
百橋一覧/(ひやくきゅういちらん)右同画 一枚摺 百有餘の橋かたち皆異にして目なれざる様を一枚に書つらねたるいとめづらしき図画也
寿百人一首操鑑/(ことぶきひやくにんいつしゆみさほかがみ)女用文章 中本一冊 女手習状入
即考百籤/(そつかうひやくせん)中本一冊 これはいともたふときうらかたの書なれば人ゝ誠心をいれうらなひ給はヽすべてのこと的然なり
懐中早引 寺子節用集/(てらこせつようしふ)早引の書数多有といへ共大冊はして懐中に便ならず此書は日用の要語を撰み童豪の懐宝に備ふ
日光道中 里程便覧/(りていべんらん)一枚摺 紅毛諸道里数の図にならひて一覧にして見安らしむ三街道の分は色わけをもてこれをわかたしむ
早操自在 日光道中記/(にちくわうどうちうき)一枚摺 日光四海道宿次問屋駄賃等こと〴〵く改め是道のりかしこへ何里こゝは何里とたちまちくり出し見安らしむ
初心者学抄/(しよしんしやがくせう)蓮池堂先生書 大字手本向 大本一冊
諸民通用 手紙之文言/(てがみのもんごん)松蘿堂先生書 中本一冊 此度再板
御家流 手紙之文言後集/(てがみのもんごんこうしふ)蓮池堂先生書 中本一冊 これ迄ひさく所の文言は平世日用俗事を達するを専とせり故に大に世に行はれ今文政七申年まで翻刻四度に及べり然るに近遠都鄙となくその文体の雅なるを好みその方式のとゝとのはざるを憂ふ因て新に先生に頼て改正し野鄙の辞を用ず専ら風雅の体を備ふ尤右座の書也