翻刻
昔(むかし)唐山(もろこし)張(ちやう)の
国(くに)に文中子(ぶんちうし)と
いふ名医(めいい)あり或時(あるとき)
応声虫(おうせいちう)を病者(やむもの)あり
この病(やまひ)は其(その)病人(やむひと)のいふ
程(ほど)の事(こと)を腹中(ふくちう)にて答(こた)ふる也
文中子(ぶんちうし)爰(こゝ)に
おいて
本(ほん)
草(ざう)を
開(ひら)き
病人(びやうにん)をして薬(くすり)の
名(な)を読(よま)しむ果(はた)して
藍(あい)と雷丸(らいぐわん)にいたつて口(くち)に
いへど腹中(ふくちう)にてこたふることなし
文中子(ぶんちうし)藍(あい)と雷丸(らいぐわん)を
服(ふく)さしめて其病(そのやまひ)
遂(つい)に
治(ぢ)す
【紙面左上 丸額】
医者
意也
【紙面中央下部】
肉桂
大黄