翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

腹内窺機関 2巻 - 翻刻

腹内窺機関 2巻 - ページ 6

ページ: 6

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[本文よみはじめ]頃はあしかゞ将軍の御代と きこへしが信州みのぢ郡くめぢばしを うちこへて新町のしゆくとてゐなかに まれなるはんくわのちありそこを さることとほからずして竹房村といふ 所に代々/医(い)をぎやうとしてほそき けむりをたてゝあるやぶ/竹庵(ちくあん)といふ ものありうまれつき正直りちぎに してよくかげうにせいをいだしびやうかより むかふるときはくひかけたるめしをもすてて かけゆきけるゆゑに人みなちくあんさま〳〵と もてはやしぬ此ちくあんあまりのはやあし にてかけまはりけるゆへ人みなとび あしのやぶいしや〳〵とあだ名なせし かばしらぬ人はそのわざをつたなし とおもひけるぞぜひもなしこれかの つれ〴〵ぐさにかけるゑの木のそうじやう のたぐひにしていかんともせんすべなし 竹あんもとよりかゝる正直なるこゝろ なればわが家げうのいどうはこほう こうせいはいふにおよばずがくもんも大かたは つとめまなびけるがとかくにそのわざのつた なきをなげき とにかく病人のはらの うちへ入りて見とゞけ ざればそのびやうこんを しりがたしさればとて いきたる人のはらの中へ 入らんこと小野のたか むらがいきながらぢごくへ ゆきかひしたるよりもむづ かしき事なりたやすくは かなふまじたゞおん神のちからを かるよりほかなしとところのうぢがみ なればくまのごんげんへきせいをかけ しやうじんけつさいして一七日いのりけるに 七日まんずる夜ゆめのうちにひとりの らうおうこつぜんとあらはれいで 〽よきかな〳〵われはこれくまのごん げんの神使なんぢがこゝろざしの しんびやうなるによつで今こゝに あらはれいでたりなんぢもつはら じんじゆつをむねとしてにんげんの はらのうちへ入りびやうこんを さくりこれをりやうぢせん事を ねがふこともつともなりかるがゆへに このまくらをあたふるなり[つぎへ] 【右丁下】 〽アヽ わしは けさ あさ めしも くはずに きた から はらが へこ〳〵 して ならぬ 【左丁下】 くすりとり曰 〽そのくすりも きゝがよいが くすりおしろいの 仙女香もよく きくといふことだ 同いはく 〽しよどくを けして さけの ゑひを さます には 西村の かんろ ゑんが きめうに いゝよ 【[ ]内の文字を矩形で囲む】