翻刻
[つゞき]そも此まくらはかの
もろこしの呂義といふ
仙人がろせいといふものに
あたへて五十年のゑい
ぐわのゆめをみせし
かんたんの▲
▲まくら
にもあらず
さればとて菊じどうが
五百さいのじゆをたもちし
まくらにもあらずふうがでも
なくしやれでもなくせうことなしの
くゝりまくらはぼうずさうおうのものなれば
なんぢにあたふるなりもしびやうにんのはらの
うちへ入らんとするときはまづあんふくをなし
びやうにんねむりにつかばなんぢも此まくらを
してともにねむるべししかるときはしぜんと
ふくちうへ入りてそのびやうこんをさぐらん事
こゝろのまゝなるべしゆめ〳〵うたがふことなかれと
大どろ〳〵にてもんきりかたのとほりかき
けすごとくにうせ給へはゆめはさめにけり
ちくあんこゝろつきておきあがり見れは
ふしぎやまくらもとに一ッのまくらあり
ちくあんよろこぶこと大かたならす御しん
たくなればうたがふことはあるまじ何にも
せよありがたしととこのまにかざり
おみきをそなへしん〳〵してゐるかどぐちを
とん〳〵〳〵とけはしくうちたゝくをたれじや
いづかたよりきたられしととへばむらの
あるきのこゑとしてちくあんさま〳〵
せう屋さまが御ぢびやうのせんきで
こしがひきつりますから今きて
くださりませはやく〳〵と
せきたちけり
【下】
〽この
まくらを
あた
ゆるぞ
ゆめ〳〵
うたがふ
ことな
かれ
〽あり
がたう
ござり
ます
しかし
くさぞう
しの
しゆかうに
ゆめといふやつは
ふるいがどうも
しかたがない
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