翻刻
ちくあんきゝて大きによろこびまことに女の大ひやうかしやく
男の大びやうがせんきにしてせんきは七せんとてなゝとほりありて
むつかしきものゝだいいちなりいざやまくらをもつてふくちうに入り
せんきのねだやしして
くれんとあるきと
ともにいでゆきけり
かくてちくあんは
あるきもろとも
せう屋なる杢六
兵へかもとに
いたりかどぐち
にてづきんを
とりながら
ごめんなされ
ちくあんでござる
といとおうへいに
はいるにぞ下女
があないにおく
のまへうちとを
れはあるじもくろ
兵へこれは〳〵よう
こそ夜中にまア〳〵
こちらへそれおたばこ
ほんおちやもてこいとあいさつのうち女房
おはたおくよりいでこれは〳〵御くろうさま
さゝ一ッめしあがりませぬかとあいさうの
よさうつくしさもとより女すきのちく
あんらう大のまなこをほそくしてこれは〳〵
ありがた山のほとゝきすあんまり
おまへさまの御ちそうがすぎます
ゆへだんなのおこしがいたみもろはく
の御ちそうよりわたくしへはあなたの
はだの白ざけがたつたひとくち
いたゞきたいとたはむれながら
あんふくしてやれば
もくろ
兵へは
よき
こゝろ
もちに
なりしと
見へて
すや〳〵と
ねいり
けり
【下】
〽わん〳〵〳〵
わはんの
わん
〽おたのみ
申し
ます
〳〵
〽どうで
ごさるの
あんまり
きさまの
うちの
かゝしゆが
うつく
しい
から
それで
びやう
きが
なを
らぬ
のじや