翻刻
ねがひ思ふ所也○たとへ其家の系譜等に見へし事にても
遠き代の事さたかならさるをのそきて世にもしれる人より
書はしめしも有又本伝にのせし事をは系図には略し系図に
見へし事をは本伝には略せし所も有二ッなから出せし事も有也
一凡この譜つとめて事しけからすして其家の始末
見やすからん事をもとむるかゆへに事をのする事多
くは略しぬ
関ヶ原大坂等の軍記は世に全書多けれは諸家の戦功多くは
略しぬ○軍務の外臨時の公役等の事をはこと〳〵くにしるさす是は
事多してしるすに堪さるのみにあらす諸家の事こと〳〵くにしる
へからされは也○諸家先祖の事跡の百余年より上つかたの
事をほくは略しぬつまひらかなる事をしらんには各その家の
系譜并行るゝ諸記を合みるへけれは也○凡一事にして諸家に
わたれる事ありをの〳〵の伝にしるさんとする事しけくなり
ぬれは只一家の伝にくはしくしるしてその余の伝には誰某の
わけ注し畢ぬ
一凡此譜つとめて事実を得ん事をもとむされと世に実録
多からぬに似たりよりところとする記伝わすかに拾余部に
及へり夫もしるす所博からねはもるゝ事少なからす併考る所
の書記百数十部一千余巻にや到るへき或は当時の消息
或は諸家の事記文古き人の物語せし事も又はそのかた
さまの人に尋ね問し事もかねては又父と師とに聞し所
なとも百余事を集て其事のまことしきのみをとれり一事
も徴なくして敢てmみつからの説つくらす疑を闕し所
もつとも少なからす又疑をは疑を伝へし所もあり
諸家任官叙位の次第は公卿補任武家補任等にしたかひ
其家の系譜も併せ考るに異あれはその下に分注しぬ