伊那市×みんなで翻刻

コレクション: 内藤家資料 (1) 2

藩翰譜(一) - 翻刻

藩翰譜(一) - ページ 44

ページ: 44

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【右帖】 留りて関東を鎮なは我はまつ上方に向て戦んと思ふは いかにと仰けれは守殿御気色あしう成て秀康いかて御後に 残り候へき只いづく迄も御先をこそかけ候へけれと宣へは 上方の軍勢は皆国々の集り勢 何十万騎ありとて 何ほどの事有へき抑上杉家は累代坂東の大将にて 中にも故輝虎入道か時に至り弓矢とつて天下に 肩をならふるものすくなかりきされは其子として景勝 又幼弱のむかしより軍の中に成長し年既にふけぬ 当時かれに向てたやすく軍せん者多からすあつはれ おことか為にはよき敵海道に向ひ打こみの軍せんよりおこと 【左帖】 一人こゝにとゝまつて軍したらんはかつは弓矢取ての面目 何事の孝行か是にすくへきと仰けれはやゝあつて守殿 軍は必勢の多少によらぬと承る上方の大将も名を得たる 輩すくなからす勢の程も又さこそ多からめ秀康いまた 軍にはならはねとも景勝壱人か勢と戦んに何ほとの 事かあるへきあはれ大将をたに御ゆるしあらんに此処にや とゝまり候へきとのたまひしかは正信聞もあへすいみしうも 仰候ものかな関東を鎮めたまはんには大将まいらせたまはん 事仰にやおよふへきと申しけれは徳川殿よに御嬉しけ にてしきりに御涙をなかされみつから御鎧一領取