翻刻!江戸の医療と養生

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八ツ目鱣因縁物語 3巻 - 翻刻

八ツ目鱣因縁物語 3巻 - ページ 16

ページ: 16

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【右丁】 【枠外】   八ッ目 【上段】 かたきもつ身はほんみやうをそれとあか さすせき川へんのらうにんといふをきいて 正作さてはわが命をたすけられしかの せき川の人ときゝひとしほいたはる 心のみやうがとかくするうち孝太郎が かつぱをとればちやのうはぎもん所は 丸に仁のじ命をたすけしその人も たしかもんは丸に仁のじもしやと 思ひねどひはとひにせんかたなく 孝太郎あるじにむかひわれ〳〵きやう だいかゝるたびぢにおもむくも ふしぎな事父仁内といふひと せんげつ十五日おほかみとうげの おりくちにて二百両の金子を ひろひその金ゆへわけありてわれ〳〵が 此なんぎときいて正作むねに ぎつくりさてはと思ひ金をおとせし こと仁内にたすけられたること おとせし二百両は此所のがうし 又太夫といふものよんところなき したいあつて二人のむすめをたのまれ 寺とまりへ身をうらせてそのかねを あづかりかへり道にておとせし ぎりからめの二百両いひわけ なさにいのちをすてんとしたる事 くはしくかたりければ孝太郎みさほも ともにふしぎなえんと思ふにつけ さきだつものはなみだなり正作は いさいのわけかたきうちときゝ われもむかしはばんしうまつくらの 【下段枠内】 ○作者曰正じき 正作おゝかみ とうげにて 悪五郎に であひそれ ともしらず こよひ わがやへ とめしは すがたかはりし ゆへ見わすれ たるにや 正作がそこつ 作者もろとも いひ わけ なし 〽みれ ば みる ほど うつくしい 久しい物だが 心に した がへ 〽きくも なか〳〵 けがらは しい ころさばはやく ころしやい 〽まゝ くち をしや 〳〵 丸に悪 丸に孝 【左丁】 らうにんはな村文吾といひしもの しさいあつて今の身のうへ命のおやの 仁内どの命にかけてすけたちせんと きやうだいにちからをつけなにはとも あれこゝろざしのさけひとつと二人を のこしとくりをさげてゆきあかり となり村へといそぎけりほどなく ごやのかねのこゑかすかにひゞく一つやの のきにひきこむ風さむくゆきをれ竹の ひゞきさへいともさひしきわびすまゐ きやうだいふたりろにさしより 正作がしんじつをかたりあひてゐたりしに 思ひがけなきにうしろのふすまさらりと あけて立いづるくわいこくのしゆぎやうじや ふたりがわきをのさ〳〵とあゆみゆき 戸口のかけがねしつかとしめにつこり わらひにうなづきみさほはそれと こゝろづき〽ヲヽさいぜんあるじのはなしに きいたわたしらよりさきへこゝへとまつた おしゆぎやうじやわたしらがはなしごへに お目がさめたでござんしやうたびは 道づれ世はなさけひとつうちに とまるといふもいはゞえんづく いろりのはたでおちやひとつとあいそういふもその身のかき孝太郎みゝかたむけ〽ハヽアおあいやどの ろくぶどのかさゝこれへ〳〵あいさつすればいろりのはたに大あぐら〽コレ仁内のせがれの孝太郎よい所へ あつたナア見ればとり目のどう目くらはていゝざまだとけたふすよこがほ孝太郎さぐり手に刀を とつてひざまへなをし〽それがしが名をしつて今のりよぐわいなくなにものじやとたつぬればしゆぎやうじやは あざわらひ〽びつくりするないつてきかすぞくわいこくのしゆぎやうじやとはよをしのぶかりのすがたまことは おのれが父仁内おぢ兵作をりへ小いそ四人のものをてにかけしよこしまあく五郎だはときいて二人はびつくりし 孝太郎はおどりあがつて身をかためいもとぬかるなかつてんでござんすと「つぎへつゞく」【矩形で囲む】 丸に正