翻刻!江戸の医療と養生

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八ツ目鱣因縁物語 3巻 - 翻刻

八ツ目鱣因縁物語 3巻 - ページ 24

ページ: 24

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【右丁】 さゝめの八郎つく〴〵思ふにしよ せんながゐせばあくじのもとひ 也すこしもはやく帰国せんと娘 お雪にさゝやきてすでに たひにもつとりかたづけ出たつの あさにいたりて又思ひけるは となりの武士どもはおとに きこえしらいくわう組のあふ れものなればあいさつなしに 打たゝばかへつて事を仕出 さんとたびよそほひして 娘引つれとなりのへやの 入口にてわかれをつげけれ ば武士六人おの〳〵■ をそろへて今日御帰 国とうけ給はりせつ かく御なじみ申せし ことなればせめて わかれのいつこんを くまんとぞんじ此 やどへ申つけて 御まちうけの 酒さかな此 とほりにとゝ のへあり いざ〳〵めで たく御さかづき 仕らんとありけれ ばおやこはな はだめいわくし もとより御酒 はふえてなればせつかくの御こゝろざし御さかづき 【台詞】 〽何事か おとつと子〽いたはしい ことだの 〽そのおやぢを ひきずれ 〳〵 〽娘がそひぶし きらつたゆゑあわび のかひのかた思ひとこ ぶしならぬいなかぶし なまくらぶし のなまりぶし めその いしゆ がへしにうでぶしをかうつかん だらふし〴〵がちと 【左丁右下へ】 【人物名右から】 太 水 濵ヵ 【看板】 御とまりや 【左丁】 【上段】 ばかりこれにていたゞき申さんといふいや〳〵それにてよろし からずこれへ御入候へたゞし御れき〳〵の方と申よりとも 公御ぢきさんの八郎どのへばいしんのわれ〳〵ふぜいがさかづき りよぐわいなれどもたびはしつれいをあらためずとおや 子をむたいに引入ければ八郎ぜひなく刀を入り口に おきて座になほりお雪もつゞいて入る所を又 二三人にて上座へすゝめ扨ていねいのりやうりにて さかづきをめぐらしぬされどもおや子はげこなるゆゑ すこしもはやくこゝをのがれんとすれども六人にて むたいにさけをすゝめ大さかづきにてしいつめたり このうち一人の武士ひまをうかゞひて座を しりぞき八郎が刀を入り口に さしおきしをとりあげておのれが 刀とすりかへおきつかぶくろを さしかへてしらぬふりして ゐたりけり八郎かく とはつゆしらず やう〳〵にわかれを つげてむすめを ともなひ座を たちさりかのひと こしをこしにたいして たち出ければ六人の武士 五六町がほど見おくりて りやうほうへたちわかれしかば おや子ははじめていきを つぎ虎口(ここう)をのがれし おもひなり 【左丁右下】 いとこぶしであんべいがな 【台詞】 〽そのかごをいそげ〳〵 〽思ひがけない そさうでござる たゞ今それ へまゐらう とぞんじた所 まづわけを おきゝ下され 〽とゝさま申 かならず〳〵 おはやまり あそばすな かなしや 〳〵 〽わけもひやうたんもいらねへ 大どろぼうのかす ざむらひ め もとの所へ うしやアがれ 〽だかむくれのへげ たれおやぢめかくご してうせをれ 【人物名】 八 磯 岩 龍 雪