翻刻
右丁
枠外 うづら権兵へ 十三
それよりさかづきは四天王にまはりて一はいづつのみてhのみてはまはしまはしするほどにさすがの権兵へも二升も入らんと思ふさかづき十ぺんばかりまはりければ大きにめいていする所へひとりむしやほうしやうやす兵へおちかづきなり申さんとて又一ぱいうけさするお手もとおあいとしいければ権兵へもはやたべゑひたればのましのませんと四五人がたちかかりおしあふひまにしやくに立たる金とき金左衛門大てうしをとりなほして権兵へがみけんをめあてにうちつくる▲
「ふたりいつしよにやるなやるな
「うめごぜんかこひのあたくものすやらうめかくごしろ
「さやであしらふとはおいらをえだ先のやうにしをつた
「えんの下からつんでたは九太夫ならぬささめの五郎おかしらのこひのゐしゆうぬもいのちがねくさつたはエ
人物名 金札 金 金札 金札 保 季 定
左丁
▲大りきの金左衛門がちからにまかせてうちつけたるにあつがんの酒目に入りてまなこをひらくことかなはずよろめきてしりゐに座すを保昌やすすけすかさずとびこんみだんびらぬきてまつぷたつと切かくるこころえたりとめくらながらに身をひらけばちからまけにうつむけにのめる所にのこる四人ぬきつれてうちかかるさすがのがうけつ権兵へもかんつぶしによわりてただひとうちと見えにけりかかる所へいつのひまよりしのびけんささめの五郎えんの下よりめりめりとねだ板をさしあげてまてまてまてと大おんによばはりよばはりすつくと立たるいきほひに上にのりゐし両人はまつさかさまにたふれたふれけり
「ささめの五郎がきた上は権兵へどのに手もつけるな
「権兵へがんつぶしのふいをうたれてたふるる
人物名 五 権 金