翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション3

救荒便覧 - 翻刻

救荒便覧 - ページ 10

ページ: 10

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穀(こく)何程(なにほど)貴(たふとき)とも金銀(きん〴〵)さへ多ければ買(かひ)もとむる事/仕易(しやす)し此ゆへに 金銀を第一として穀を心とせざるなり甚つたなき心掛(こゝろがけ)なり 其/故(ゆゑ)は二三/箇国(がこく)の饑饉には有年(ほうさく)の国より饑饉の国へ廻(まは)し遣(つかは) す米穀も有るべきなれども若(もし)二三十国も一年にきゝんせば 廻(まは)し遣(つかわ)す米穀(べいこく)も有るべからす其時に至て金銀を煎(せん)して飲(のむ)とも 命(いのち)は助(たすか)るまじきや尤(もつとも)兵乱(ぺうらん)の世には農民(のうみん)も快(こゝろよ)く田作(たつくり)も致(いた)し難(がた) きものなれば歳(とし)飢饉(きゝん)ならずとも米穀は不足するものなり此所 を能(よく)呑込(のみこみ)て金銀は命を救(すくふ)第二番(だいにばん)のものなる事を知(しる)米穀を第一 金銀を第二と心得て平日(へいじつ)食糧(しよくりやう)に成(なる)べきものを貯(たくは)へるを勤(つとむ)べし 是(これ)国郡(くにこほり)を領(りやう)する人第一の覚悟(かくご)にして下/庶人(しよじん)に至(いた)るまで此心/掛(がけ) を忘却(ばうきやく)する事なかれ是大にしては武備(ふび)の肝要(かんえう)とし小にしては 活命(くわつめい)の根本(こんほん)とするなり可_レ思/糧(かて)を貯る法(ほふ)は和漢(わかん)古今の説(せつ)色々(いろ〳〵) あれども一㮣(いちがい)に泥(なづむ)事/勿(なか)れ唯(たゞ)国本の肥瘠(ひせき)其年の豊凶(ほうきやう)を考(かむがへ)て臨(りん) 時(じ)に分量(ぶんりやう)を定(さだめ)て貯べし大㮣(たいかい)饑饉と云ものは二十年に一度/程(ほど)は 到(いた)るものなり其心掛にて貯べし   ○富人(とめるひと)のいましめ