翻刻
詮(せん)なし此(この)意味(いみ)ときつくしがたし熟慮(つら〳〵かんかへ)深(ふか)く思ひてあやまつこと
なかれ又こゞえたるものにはこも古着(ふるぎ)あたふべし
○饑歳(きゝん)の年数(ねんすう)《割書:并》気候(きこう)の考(かんがへ)
○草木(そうもく)の花或は鳥獣(てうしゅう)を見て年の豊凶(はうきやう)を占(うらな)ふ事/其(その)説(せつ)多し先(まづ)蟻(あり)
に雨水をさとり鼠(ねづみ)に火災(くわさい)を判(はん)じ鳶(とび)の巣(す)に烈風をはかり竹(たけ)の
實に饑歳を弁(べん)じ井水のつくるに颶風(おほあれ)をしり山鳴(やまなり)に畑荒(はたあれ)を見(み)る
など必ず證(しやう)とするにたらすといへりされども五月/雨(あめ)なく六月雨
井の水暖かに八九月なが雨又大風大水冬暖にして雷(らい)且(かつ)地震(ぢしん)も
ありて春(はる)に成(なり)度々(たび〳〵)の雪(ゆき)よかん甚(はなはだし)くは凶年(きゝん)たる事/舊記(きうき)を閲(み)て知(しる)
べし粒米(こめ)狼戻(みたらになり)市街(いちまち)にすつるにいたれば必(かならず)凶年あるといへり天明五
己【巳の誤り】年/前(まへ)は豊年(ほうねん)つゞき卯年は金壹両に米壹石五斗となる文政三
年まで豊年つゝき同四己【巳の誤り】年春米/両(りやう)に壹石五斗なりしに此年/旱(ひでり)
にて米/踊(おど)り両に壹石となる是より高直(かうしき)に成(な)り初(はじめ)なり○寛永(くわんえい)
より今に至る饑歳(きゝん)の年/数(すう)並(ならび)に気候(きかう)の考(かんが)へ○寛永十九午年/饑(き)
饉(きん)二十八年目/寛文(くわんぶん)九年/京(きやう)きゝん七年目/延宝(えんほう)三卯年きゝん二十五
年目/元禄(けんろく)十二年八月夜大風木を抜(ぬき)屋(いへ)をたふす冬/関東(くわんとう)きゝん両