翻刻
雨八月/冷気(れいき)甚し袷を用(もちひ)て猶(なほ)寒(さむ)し十二月十六七日上方大雷きゝ
んの風説(ふうせつ)あり同十一子年正月四日雷六日雷三月より雨(あめ)多(おほし)暖気(だんき)種(たね)
物(もの)くさる此月十六七八日/日輪(にちりん)光(ひかり)なし霧(きり)ならん六月土用/晴(はれ)両日計(りやうじつばかり)
冷気(れいき)にて袷を用ゆ十五日/山王祭(さんわうまつ)り袷よろし当夏(とうなつ)中庭(にわ)へ水をうつ
に及ばず八月九日/長崎(ながさき)大荒(おほあれ)十日/芸州(げいしう)あれ十一月廿八日/越後(ゑちご)大地震(おほちしん)
江戸/少(すくな)し同十二丑年春寒大雪二度/米(こめ)両に六斗八升二月十六日大風
音羽(おとは)出火(しゆつくわ)二里/余(よ)のやけ三月廿一日大風/昼(ひる)四ッ時すぎ神田佐久間町(かんださくまてう)出(しゆつ)
火(くわ)西北(にしきた)の風(かぜ)にて南(みなみ)は新橋外(しんばしそと)東南(とうなん)は八左エ門/島(じま)まで二月両に七斗三升
三月両に六斗六升余四月両に六斗七升/程(ほと)五月七斗三升九月両
に六斗五升/或(あるひ)は五斗三升ともいふ八月二日大風十五日同し米/貴(たか)し
白米百文に六合五勺七月/但馬(たしま)因幡(いなば)大あれあり大火/後(ご)は必/大荒(おほあれ)
あるよし明和九大火後八月廿九日大荒享保明和文政よく相/似(に)
たり○醉吟子(すいぎんし)曰/鴨(かも)の長明(ちやうめい)が方丈記(はうじやうき)に 安徳(あんとく)天皇(てんわう)の養和(ようくわ)の頃(ころ)二
年か間(あいた)飢饉(きゝん)つゞきて大風/旱(ひでり)して人民大に苦(くる)しみよきものも乞食(こつじき)
となり或は路頭(ろとう)にうゑ倒(たふ)れ死(し)せどもとりすつることもなければ
其くさきこといはんかたなしといへり其ときの様子(やうす)天明三の餓死(うゑじに)