翻刻
【上段】
常(つね)に食(しよく)し妨(さまたげ)なく飢饉(きゝん)の備用(そなへ)
比類(ひるい)なき貴(たふと)きものなりといへり
飛州(ひしう)に出来(てき)
し図(づ)左(さ)の
如(ごと)し
【自然粳の図】
【下段】
○兵粮丸方(へうらうぐわんのはう)
○晒(さらし)米《割書:十五匁|》蕎麦粉(そばこ)《割書:五匁|》勝尾(かつを)
武士(ぶし)《割書:三十匁|》鰻鱺(うなぎ)白干(しらぼし)《割書:三十匁|》梅干(むめぼし)
肉(にく)《割書:三十匁|》生松/甘(あま)はだ《割書:三十匁|》酒蒸(さかむし)
右の薬(くすり)粉(こ)にして梅干肉(むめぼしにく)に松(まつ)の
甘(あま)はだ段々(たん〴〵)に入(いれ)能(よく)押合(おしあわ)す径(わた)
り三分/余(あまり)に丸(ぐわん)じて一日に二三/粒(りう)
づゝ用(もち)ゆ七八日の飢(うゑ)をしのぐ
【全段】
○又方○蕎麦(そば)《割書:三合|》晒米(さらしごめ)《割書:三分|》人参(にんじん)《割書:一両|》梅干肉(むめぼしにく)《割書:十匁|》松甘(まつあま)ハタ五十目
甘草(かんざう)《割書:一匁|》右/丸(まろ)め一日に二度(にど)用(もち)ゆ飢(うゑ)をしのぎ心気(しんき)を強(つよ)くす妙(みやう)
なり○又方○干蚫(ほしあわひ)《割書:二十匁|》大麦(おほむぎ)《割書:十匁|》鯉(こい)《割書:三十日|よく干(ほす)》餅米(もちこめ)《割書:五十目|》茯苓(ぶくりやう)《割書:十|匁》
《割書:大白上|》海䑕(なまこ)《割書:三十目|》右/粉(こ)にして丸(ぐわん)じ朝夕(あさゆふ)一粒づゝ用ゆ常(つね)に遠行(えんそく)食(しよく)
心もとなき所(ところ)へは持(もつ)へし○又方○人参(にんじん)《割書:一両|》松脂(まつやに)《割書:一斤|》白米(はくまい)《割書:五合|》
右/丸(ぐわん)して用ゆ十五人三日の食に成る○又方○桑實(くわのみ)の不熟を
干(ほ)し末(こ)にし湯(ゆ)にて呑(の)めば三日の飢(うゑ)をしのぐ○又方○田螺(たにし)を
生醤油(きせうゆ)にて煮(に)て干(ほす)なり十(とを)ばかり懐中(くわいちゆう)すべしそれをかみ喉(のんど)