翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

亜墨利加漂流記聞 - 翻刻

亜墨利加漂流記聞 - ページ 12

ページ: 12

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 一体の容貌アメリカ婦人とハ格別相違にて甚たいやしげなる  姿にて幽艶なるハなく不束にしてしつッこく本邦の女とハ大  違也と云アメリカ仕立の女衣服ハ筒袖にて繻伴のことく  仕立鯨の骨にて張りを入れたるとの也是を着て胸元  をコハゼにて〆合せ無辺に巾広き隔なき袴のごとき  物をはきて腹に細帯を以て堅く〆る都て体の細き  を上品とするならハし故胸元より腹迄をしかと〆る  事也とそまた袴ハ是と違ひ無性に広く仕立たる  ものの由足にハ男女とも履をはき大小便の時ハ袴を  操り上けて腰掛にて両用共小弁すると見へ候との事也  島女常服ハ袴繻伴共木綿にて晴れ着にハ繻  子抔着たるも見掛たる由袴をチウセズ繻伴を  コロウスと言男女共頭ハ残切也男分惣身に入墨  あり 県吏役所ゟ折々鑑察島中を巡覧して若シ産業を廃 する者また赤裸に成たる女抔見付たる時ハ折檻を加ふる 由島人是を恐れて業を励ミ衣服を放さすと言漂客 此島にて凡四十日余り逗留中女の裸の体を見すと也 島人女をワヒネと言 島主の居所/茅葦(カヤアシ)にて拾間位の由門番の歩卒鉄炮 を携へ有し由此火器も本邦アメリカより与へし物也とそ 島の内にハ竃鍋釜の類一切なし年中暖か成る物を飲 食すると言事なく常食にハ芋糊りをなめて水を呑 迄也魚類ハ生マにて先腸を吸惣身肉■【窯ヵ】り喰ふと言 元来僻境の貧地故女ハ妻娘に限らす日中にハさしたる 手業もせす徒らに暮らし八ツ時頃ゟ浴して残切髪を 櫛けづり《割書:此髪のときわけ様 にて男女差別有ト言》辻君惣嫁に出面々異国人に身を 売て渡世の足しにす亭主ハ漂客来るを見れハ直に