翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

亜墨利加漂流記聞 - 翻刻

亜墨利加漂流記聞 - ページ 17

ページ: 17

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通商有和蘭陀よりも通商の渡海有既ニ熊野の 善助等唐船に送られ先年無事に帰朝せり其許 等唐土阿蘭陀ゟ日本へ通商の渡海有事知らさる哉 と尋けれハ土佐の人手を打て左様の義有し哉我々ハ 無聞無筆の者なれバ夢にも知らすと答漂客又尋 て此島ハ如何なる所成哉と申けれバ土佐の人答て此 所ハ随分宜敷地也年繻伴壱枚有れバ外の 衣服ハいらす食物も我国に格別劣りたる事なしと 言故漂客等怪敷思ひて此僻地の貧島我日本と さして変りなしとハ如何成事哉其許故郷にも如此芋計り 食ニするや誠に悲しき人々也今日我人の見る処我 神国の芳名強盛世界第一にして五穀豊饒武備 武稽の精練諸製作之良工中々諸外国の及べき 所に非す異国我 国家の神戒を仰き慕ひ礼を厚くして毎度通商を 乞ふに至る此ケ条にても知るべし我等常々聞及世界の 内又と有べからす其内帝号を称する国僅に七ケ 国に過すと聞日本其第一に有て実に万邦に冠 たり三ケの都ハ所様〳〵我紀伊ハ所様〳〵の地□□ 我等いまた此僻島のごとく見も聞もせさる所也□一ト通り 申諭けれバ土佐人等初て悟り我ら片田舎に生れて 外を知らす我里在て都有事を知らす明暮に 釣舟を事として朝夕他を見るいとまなく幼少よりいろ はの假名手本壱ツ習ハす一文不通之明キ盲にて我 国豊饒なることを分境せす今迄帰朝の道有事をも 知らすうか〳〵として暮せしハ意恨也とて故郷を慕ひ 帰国の心ざしを発しけるとそ各説話終て此所を辞し 元船へ帰り加比丹に帰朝の事を一向ら頼ミけれは