翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

亜墨利加漂流記聞 - 翻刻

亜墨利加漂流記聞 - ページ 27

ページ: 27

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 日本にハ通商なき国より送りてハ受取らぬ  国法なりといふ事故是非不及と申候由  /香港(ホンコン)にて罪人の囚人を此舟え数人積入れ有  しが此しまにて/擲棄(タヽキステ)致候よし此マニラといふ島  ワフウと同し遠洋僻幽島にて島人飲食す  るに飯を椀箸持たず握ミて食しが実に不喫  にして是には甚た困候よし翌日爰を辞して  開帆して数日にして其六月八日に上海といふ所  に着す此処ゟ唐土の県吏人の手に渡り爰に  凡三十日計逗留此/上海(シヤンハイ)にも外邦の商館有之由 此/上海(シヤンハイ)に逗留中或日郡官ゟ日本漂流人御用の書簡 早々都府え可召登旨飛脚到来せりとて迎ひの役 人并駕舁歩卒来りし故漂流人五人外ニ郡官役□ 等差添郷尊に随ひ肩駕廿挺計え各打乗道程弐   里計りにして大門え乗付二重□の門ゟ駕籠を下りて 又門を二重入て殿閣を見渡せは眼ニさへぎる物として 心を驚かさゞる事なく心の内に思ひけるは我ら僥倖 を得て異国成れとも斯国主ニ咫せんハ不幸の内の 《見せ消ち:不|》幸也と蜜々悦ひ勧ミ行は敷瓦らの上に毛せんを 引つらね奥深き方の中央ニ侯と覚しき壱人椅子 に掛り頭にハ赤玉を鏤めたる陣笠を戴き  此赤玉の笠印ハ上分のよし其次は金の玉印を用  ひ其下ハ銀段々位階によりて玉印違ひ候よし 絽の薄茶色の夏盛の服にて堂々として見申候美小 年両人其左右ニ侍りて柄長き団扇をもつて君侯 をあふき故右のかたわらにハ漂客掛りの役人と見へて 廿人計り左の側らにハ近侍の官人と覚しき人弐拾 人計り両方に別れて曲彔とか椅木とか言物に掛