翻刻
一/亜墨利加(アメリカ)ヲ メレケン 一/魯西亜(ロシヤア)ヲ ルセ
一/諳厄利亜(インキリス)ヲ イギラン 近来
一/阿蘭陀(オランダ)ヲ ダチ 一/仏郎察(フランス)ヲ フランチ
一麦の餅ヲ パン 一/椰子(ヤシホ)ヲ コリナリ
一鯨ヲ ホエラ 一磯坊主ヲ セル
一鯨の油ヲ アエラ 一雪ヲ シノ
一風ヲ ウイヌ 一/豕(ブタ)の油ヲ スラン
一女ヲ オーマン 一男ヲ メン
一清僧ヲ ビシヨク 一氷山ヲ アイス
一物の器物に満たるを ホール
一近日といふ事ヲ バンバエ
一様といふ事ヲ ミンチ《割書:様といふ事を人の名の上へ
付て呼ふ皇朝と上下の違也》
一八人わかれて乗りし船の名 モリゴ
一三人乗移りし船の名 カバ
一後ニ唐土へ渡りし便船の名 コツヘー
此舟の名ハ■【泰?】平幸福を表したる事の様ニ相聞候由
一加比丹ヲ キヤブテン また キヤフンとも申候由
漂流人船長をカビタン〳〵と申候是ハ長とも頭とも
言事の由ニ御座候
アメリカ人漂客の名前を尋問せし故面々虎吉市楠
吉松発左蔵菊松某々と一々に名乗けれバ船子ども
おかしがりて手を叩て笑ひしとそ是ハ尤のこと此方
にても彼等か名を可笑思ふのミ漂《見せ消ち:客|流》の内大体日本
之地を離れたれバ余者皆唐土と思ひ居し故初の
程ハ彼レが図説を見て恍忽として分らざりしか漸々方位
を見聞し数多国々有て諸大州国大列居する事
をほの〴〵と初て知りたりと云
食事ハ不断/牛豕(ウシブタ)の肉食日々三度宛也間タにハ