翻刻
【右丁】
善(ぜん)は急(いそ)げ悪(あく)は延(の)べ
明(あき)らめは平日(へいじつ)の養生(ようぜう)
有(あり)の儘(まゝ)なるは正直證人(せうぢきもの)
無病(むびやう)はものを貯(たくは)へぬ證人(もの)
持病(じびやう)は明(あき)らめなきより生(せう)ず
肝症(かんせう)肝積(かんしやく)は気随(きずい)の證人(もの)
好(す)き嫌(き)らひ物(もの)に飽(あ)くは我儘(わかまゝ)の證人(もの)
短気(たんき)は身(み)を損(そこ)なふ本(もと)
我慢(がまん)我欲(がよく)は愚知(ぐち)無知(むち)の證人(もの)
疑(うたが)ひ謗(そし)るは侮(あなど)らるゝ本(もと)
【左丁】
明聞(めうもん)色彩(いろどり)は負ヶ惜(をしみ)に陽気(うわき)もの
手前勝手(てまへがつて)は飽(あか)るゝ本
遊芸(ゆうげい)は身(み)家(いへ)をが害(そこ)なふ本(もと)
争論(そうろん)腕立(うでだて)は後悔(こうくわい)の本
悪業(あくげう)は我身(わがみ)の仇敵(あだかたき)
物識(ものしり)は論(ろん)に勝(かつ)て我(われ)に負(まく)
過(あやま)ちをつくろへば過(あやまち)を増(ま)す
功(こう)を賞(せう)すればその功(こう)を失(しつ)す
神(かみ)仏(ほとけ)を頼(たの)み誓(ちか)ふものは御罰(ごばつ)を蒙(かう)むる
神(かみ)仏(ほとけ)を尊(たうと)み信(しん)ずるものは果福(くわふく)を得(う)る