翻刻!江戸の医療と養生

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養生長寿秘伝鈔 2巻 - 翻刻

養生長寿秘伝鈔 2巻 - ページ 25

ページ: 25

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【右丁】  々(〳〵)増長(ぞうてう)いたし右(みぎ)のとうり行状(げうぜう)に候へば父子(ふし)の間(あいだ)はなはだ  不 和(わ)にて老父(らうふ)今年(こんねん)六十 歳(さい)に及(およ)び候へども主人(しゆじん)右体(みぎてい)  行跡(げうせき)に候へばいまだ万事(ばんじ)任(まか)せられず候得ば主人(しゆじん)自(じ)  身(しん)不 心行(しんげう)不 孝(こう)の場(は)も不 埒(らち)も思はず只(たゞ)親(をや)を恨(うら)み不  足(そく)にぞんじ候より朝暮(てうぼ)顔色(がんしよく)あしく亦(また)外(ほか)苦労(くらう)  の筋(すじ)もこれあり候 得(へ)ば夫是(それこれ)心気(しんき)をいたまれ候 様子(ようす)  に見(み)うけ候 依(よつ)て色情(しきじやう)深(ふか)き性分(せうぶん)にまた鬱(うつ)を散(さん)ぜ  ん心持(こゝろもち)もこれあり夫是(それこれ)何分(なにぶん)色欲(しきよく)心労(しんらう)此(この)両様(りやうよう)去(さ)り  不申ては迚(とて)も命(いのち)は続(つゞ)きがたく存(ぞんじ)朝暮(てうぼ)如何(いかゞ)はせんと私(わたくし)  心配(しんはい)仕(つかまつり)候 折節(をりふし)御出入(をんでいり)申 御屋敷(をやしき)より風(ふ)と此(この)旨(むね)を伝(でん) 【左丁】  承(せう)仕候 故(ゆへ)時節(じせつ)到来(とうらい)也と存(ぞんじ)早速(さつそく)右(みき)御立入(をんたちいり)仕候 御屋(をんや)  敷(しき)へ参(まい)り厚(あつ)く相願(あいねか)ひ誠(まこと)に一 命(めい)御助(をんたす)ヶ候 事(こと)に候へば  何卒(なにとぞ)御拝借(をんはいしやく)被下候 様(よう)相 願(ねかひ)候 所(ところ)年来(ねんらい)の御懇意(ごこんい)【注1】ゆへ  早速(さつそく)何某公(なにかしこう)へ御出(をんいで)被下 委細(いさい)御咄(をんはなし)御頼(をんたの)み被下候とこ  ろ命(いのち)にかゝり候と聞(きゝ)候てはもだし【注2】がたき事(こと)なり然(しか)  れども宝物(ほうもつ)の義(ぎ)に候へば本書(ほんしよ)は何(いづ)れにても不相成(あいならず)候  間(あいた)写(うつ)させ可被下(くたさるへく)候 旨(むね)にて御(をん)うつし頂戴(てうだい)いたし  即日(そくじつ)主人(しゆじん)へ右(みぎ)御屋敷(をんやしき)にて伝承(でんせう)仕(つかまつり)候 始末(しまつ)且(かつ)御大切(ごたいせつ)の  訳(わけ)など演説(いんせつ)いたし拝見(はいけん)いたさせ候 得(へ)ば繰(くり)かへしく  り返(かへ)し拝見(はいけん)し善悪(ぜんあく)の一 言(ごん)もなく側(そば)なる文庫(ぶんこ)に 【注1 「懇」は「熊」に見える】 【注2 黙す(もだす)】